食事摂取量の改善を目指した取り組みについて(「洛和ヴィラアエル」の取り組み)🍽️



 高齢者の方は、持病や加齢に伴う機能低下など、様々な原因で食べられる量が減ることが少なくありません。

 食事摂取量が減った原因は何なのか、食事摂取量の改善につなげるにはどうすればよいか、医師や看護職員、介護職員、リハビリ職員など多職種で相談しながら、ケアに取り組んでいます。

 食事形態や食具の見直し、シーティングなど食事姿勢に対する介入、ご自身で食事を摂ることが難しくなった方には介助を行ったり、食事摂取量が大きく減った場合は、栄養補助食品の付加を行ったり、その方に最適な方法を検討し、ケアに取り入れています。

「洛和ヴィラアエル」で取り組んだ事例について、いくつかご紹介いたします。

1.座位耐久性に配慮した事例
<原因>
 ご入所前に新型コロナウイルス感染症罹患、廃用症候群の進行が著明。座位を保てる時間が短くなる。また、昼夜逆転傾向もあり、覚醒状態により食事摂取量が左右される。
<見直し>
 離床時間の確保のため、通常は食事準備に入る前に車椅子への移乗、リビングへの誘導を行っていた。食事準備が完了したタイミングで離床を行うようケアを見直した。
<結果>
 食事を摂っている間は、座位を保てるようになり、食事摂取量が増加。生活のリズムを作れるようになり、昼夜逆転も改善。必要栄養量を摂ることができるようになった。

2.食欲低下の原因(ストレス)に対応した事例
<原因>
 同室の方にストレスを感じ、体調変化や食思不振が顕著となる。全体的な意欲低下もあり、離床機会も激減した。
<見直し>
 居室の変更を実施した。補助的に栄養補助食品の付加を行った。
<結果>
 徐々に離床の機会が増加。1か月程度を要したが、徐々に食事量が改善した。

3.食事形態、食事環境を見直した事例
<原因>
 加齢に伴う機能低下あり。おかずを飲み込めずに吐き出す行為あり。スプーンを使用して食事を摂るが、使いづらい様子で、すくえていないことがあった。また、口元までスプーンをもっていくことができない。食事時間が長くなり、疲れてしまい、さらに食事摂取量が少なくなってしまう。
<見直し>
 おかずの形態を変更した。スプーンですくいやすいような食器に変更。食具をスプーンのつぼが手前に向いているものに変更。補助的に栄養補助食品の付加を行った。
<結果>
 食事摂取量が改善した。食事時間を短くすることができた。

以上、3つの事例をご紹介いたしました。

これからも知識を深め、ご利用者によりよく過ごしていただけるよう努めてまいります。
ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

介護老人保健施設 洛和ヴィラアエル