皮膚トラブルについて😫 ご高齢者の皮膚は、アザや掻き傷があったり、乾燥していたりと様々な皮膚トラブルが起こります。なぜ皮膚トラブルが起こりやすいのか... それは、ご高齢者の皮膚は加齢による皮脂分泌の低下から皮膚は乾燥し、少しの刺激で皮膚トラブルが起こりやすい状態にあるためです。その為、軽くぶつけたり、こすったり、掴んだりするだけで内出血や剥離(はくり)が起こります。 特に寝たきりの方や栄養状態が悪い方は、皮膚の脆弱をまねき、皮膚の耐久性を損なうため、褥瘡(床ずれ)になりやすくなります。また糖尿病などの特定疾患を持っているご高齢者は皮膚トラブルから、感染症を引き起こすリスクが高くなります。 そのため、私たち介護スタッフは日頃からご高齢者に起こりすい皮膚トラブルを観察することが重要です。特に、入浴中、更衣中やトイレ介助の時などが自然に全身の皮膚を観察する良い機会です。 また、ご高齢者の皮膚トラブルについて、その原因別に対策方法を考えて対応しています。 「肌の乾燥」の原因と対策 皮脂の分泌量の減少に伴い、保水力が低下し、弾力を保つコラーゲンの生成も不活発になります。そのため、皮膚の弾力がなくなり、シワができたり、肌がカサカサして、皮膚の掻痒感(そうようかん)を伴うこともあります。 <対策> ●加湿する ●保湿クリームを使用する ●入浴温度をぬるま湯にする 「内出血」、「皮膚剥離」の原因と対策方法 皮下出血や皮膚剥離の原因は、加齢に伴い、皮膚の細胞が減少して代謝機能・免疫機能が衰えるため真皮・表皮の厚みが薄くなることにあります。さらに、毛細血管も破れやすくなるため、軽く掴んだりした刺激が薄くなった皮膚を通じて奥まで達しやすく、毛細血管が破れて内出血(あざ)を起こしやすくなるのです。 また、抗凝固剤やステロイド剤を服用されている場合は、長期に使用すると、皮膚が菲薄化して毛細血管を保護する組織が脆弱となり、皮膚が少し圧迫されただけでも毛細血管壁が破壊されて皮下出血や紫斑を生じたり、皮膚が少し伸展しただけで裂創などの二次的皮膚損傷が生じやすくなります。 <対策> ●栄養の確保(総エネルギー量、蛋白質、アミノ酸、脂質、鉄分、亜鉛、銅、ビタミン) ●手袋やハイソックスで外傷を防ぎ皮膚を保護する ●生活環境を見直し、椅子の脚や肘掛け部分にクッションや保護材を巻く ●保湿クリームやボディークリームを使用する ●やさしいタオル生地のものを使用し、入浴介助を行う まとめ 常日頃からご高齢者の皮膚状態に「気配り」、「目配り」をするだけでなく、皮膚状態の変化を早期に発見することが重要になります。また、老健ではお一人お一人の個別性を理解するため、多職種で情報共有して日々の観察や介助方法に活かしています。 |