コロナ感染対応の経験から高齢者の人権について考える👨🦳 5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へと変更されました。これによる各種対応を整理しているところですが、これまで多くの制限があった高齢者の生活が、感染対策に留意しながら少しずつ緩和されていくことを願うばかりです。今回は、私たち老健の従事者が3年間のコロナ経験から学んだ高齢者の人権について考えてみたいと思います。 1.人権とは 世界人権宣言の第一条には「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である」と記されています。コロナクラスターの対応中は、一人ひとりが自由であることや尊厳を保持することがとても難しく感じられました。また、老健施設の運営の基準では「入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない」とされています。コロナの経験からディスカッションしてみることも良い研修になるかもしれません。 2.身体拘束防止の視点から 同じく運営の基準では「サービス提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない」とされています。感染発生時、認知症のある方への対応で普段は気を付けている「待ってください」などの声かけをせざるを得ない場面もありました。いつもと違う環境は、認知症の方の不安やストレスを増大させるため、お部屋での隔離ではなくエリアを分けての生活等、出来るだけいつものリハビリが提供できるよう工夫を重ねました。 3.普通の生活、あたりまえの生活の追求 老健での食事は、皆さんに離床していただき、食堂や共有スペースで召し上がっていただきます。私たちの普段の生活でもベッドの上で食事を摂らないからです。老健は、多くの職種の連携で医療的な安心を作り、その人が望む生活が続けられるよう支援する施設です。基本的なことがゆえに忘れがちではありますが、あたりまえの暮らしを守るということがどれだけ大切であるかをコロナの経験が明らかにしたように思います。これから、少しずつ元の形を取り戻していく中で、これらのことを十分に意識して取り組みたいと思います。 |