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「認知症初期集中支援事業」について 地域社会への貢献活動を行うことは、地域包括ケアシステムにおける老健の役割の一つと言えるかと思います。向日市にある老健、ケアセンター回生は、地域包括支援センター(1)※を併設しており、同センターは、平成30年春に同市から委託を受け、認知症初期集中支援事業を始めて、約1年が過ぎようとしています。 事業の目的は、認知症になってもご本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるために、認知症の人やそのご家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」を設置し、早期の診断と対応に向けた支援体制を作ることです。複数の専門職がご家族の訴えなどにより、認知症が疑われる人や認知症の人及びそのご家族を訪問します。アセスメント(評価)、ご家族の支援などの初期の支援を包括的、集中的(約6ヵ月)に行い、自立した生活のサポートを行います。 支援の対象者は40歳以上で、自宅で生活し、かつ認知症が疑われる人、又は認知症の人で、次のいずれかに該当する人です。 1.適切な医療、介護サービスを受けていない人、または中断している人 2.医療、介護サービスを受けているが、認知症の行動、心理症状が顕著なため、対応に苦慮している人 この事業は、「認知症が疑われるものの、現時点で日常生活に大きな支障がなく、また、ご本人、ご家族が支援の必要性を感じておらず継続的支援にまで至らないケース」といった「初期ケース」の支援につながるように努めるものです。チームは、医療、保健、福祉等の要件を満たす専門職2名以上及び専門医1名以上の計3名以上で編成されます。 支援チームの専門職は、支援対象者に係る認知症の包括的アセスメントに基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行います。専門医は他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的な見識から指導、助言等を行う外、必要に応じて相談に対応します。 平成30年度の活動を振り返ると、まだ事業内容が十分に向日市の一般市民に周知されておらず、これまでの依頼件数は10件に届いていません。「認知症」がチーム名に冠されていると、対応を受けることに拒否感がある様に感じられ、ソフトな名称への変更を求める意見が出ています。対応するケースにはセンシティブなものも含み、ご本人やご家族の立場を十分に理解し、親身になって共感できる経験値をチーム員は持っています。 今後の高齢化の進展に伴い、認知症への理解と対応力を高める必要性は益々重要になり、この事業の重要性は増してくると思われます。老健の一つとして、こうした活動を通じて地域社会に少しでも貢献できればと思い入れています。 注:(1)※2005年に介護保険法により定められた、地域住民の医療、保健、福祉の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う各区市町村に設置される機関である。 |